木版画(Mokuhanga)とは?
協業と忍耐が織りなす芸術
木版画は、日本の伝統的な版画技法です。現代の機械印刷とは異なり、3人の熟練した職人がそれぞれの技をつなぎ、完璧な息を合わせることで完成する、高度な分業体制の芸術です。
自然から生まれた色彩
木版画では、水性顔料を使用します。伝統的には、墨(Sumi)、深い青の藍(Ai)、鮮やかな赤の紅(Beni)、牡蠣の殻を細かく砕いて作られる白の胡粉(Gofun)など、さまざまな自然由来の顔料が用いられてきました。
これらの顔料に米糊(Nori)を混ぜ、和紙に摺り込むことで、顔料が和紙の柔らかな繊維に染み込み、木版画ならではの温かみや深み、独特の色彩が生まれます。
幾重もの色彩を重ねて生まれる一枚
一枚の作品を完成させるために、摺師は数十色にも及ぶ色を、一色ずつ丁寧に和紙へ摺り重ねていきます。わずかなずれも許されない緻密な工程を繰り返し、長い時間と熟練の技を重ねることで、ようやく一枚の木版画が完成します。
機械による印刷では再現することのできない、手仕事ならではの繊細な表情と豊かな質感。それは、絵師・彫師・摺師、それぞれの技術と経験が一枚の和紙の上で重なり合うことで生まれる、木版画ならではの魅力です。
絵師(Eshi)
原画となる下絵を描きます。
彫師(Horishi)
堅い山桜の版木に下絵を精巧に彫り込みます。作品によっては多くの色や表現を生み出すために、十数枚から20枚近くの版木が使われることもあります。
摺師(Surishi)
伝統的な手漉き和紙に版木を正確に合わせ、一色ずつ丁寧に色を摺り重ねていきます。